仏心

「人の心のその奥に 仏も住むが鬼も住む」
仏心とは大慈悲心の表象であり、鬼心とは自我に捉われし煩悩(存在欲)の表象である…
人はその努力.意志.信念.知性により、仏にも鬼にも変幻自在な存在なのです…
得体の知れない神様や.妄想的な仏様が救ってはくれはしないのです…[自らを救うものは、自分だけ]であり、自分の中の仏様を.その努力.意志.信念.知性などにより、磨き、育て、現してこそ.人は救われてゆくのです…
仏となって真の幸せをつかむも、鬼や般若になって苦しみと不満の中を生きるも自らの努力しだいなのですから…
無明の闇を抱えて生まれついたる身なれば、
無明(本質的無知)の闇を晴らしてゆく道こそ[仏への道]であり、無明なままに.如幻如露なる我欲に魅入られ.拘り.捉われ.愛着してゆく道こそ[鬼への道]である…
仏は天に住み.鬼は地獄に住む、何れ.それぞれの処へと赴く…在るかままに.成るがままに…
輪廻の激流は果てしなく、渡り切る者は少し…
■心の渇きを癒やそうと.思想の荒野を彷徨う愚か者は、救い難し…
真正な仏教は無明な人の単なる知的好奇心を満足させる為に在るのではなく、無明ゆえに苦しみ.悩み.欲望に焼き尽くされてる人々を、平安.喜び.悦楽.静逸.幸福へと導く為のもの…
単なる想像や妄想に過ぎない得体の知れない神様や.怪しげで眉唾な力に魅入られるのも無明ゆえ…思想の荒野を彷徨うべからず…
無益なプラパンチャ(戯れ言.能書き.形而上学的推論.妄想的空論)な夢幻に過ぎない不毛なる思想の荒野を依り処とするなかれ、やがて心は渇き.欲望は深まり、心の中の鬼が育つ…
無明なる者とは、それでも[自分は正しい][自分の選択は間違っていない]と[自分]にしがみつきながら、何れ.それぞれの処へと赴く…在るかままに.成るがままに…輪廻の激流は果てしなく、渡り切る者は少し…
人生には生きる苦しみ.病の苦しみ.喪失の苦しみ.心の痛み.失望.不満.憂い.哀しみが付いてくる…しかしその殆どが無明ゆえに苦しんでいるのだと理解出来れば、人の苦しみの世界は消滅するのです…