無責任社会

無責任社会
昨今の災禍を見ていて、痛感するのが責任の所在を曖昧にして責任転嫁したり.明らかに人災であるにも関わらず想定値を超えた想定外な天災だと総括しようとする責任感の欠如を感じずにはいられず、この無責任な社会が、クレーマーなど無寛容な人々を蔓延らせてゆくのは、責任感や隣人愛や慈悲とかは、精神性や智慧に由縁しているのであり、所有物の多寡に依らず.先ず自分が満たされ.足るを知っている必要があり、自我意識と我欲と自愛に縛られ.魅入られている人には.不可能事とも言える。

これは産業や政治や社会にも言える事であり.日本という国が[無責任社会]への道を直走っている事への啓発でもある。 今の日本の産業界の衰退を含めて、この問題の原因(病巣)には幾つかの要素があり、先ず一番目が宗教観の喪失であり.二番目が制御の効かない欲望的社会の到来であり、三番目が西欧からの虚飾されたグローバル化への染脳(洗脳)であり四番目が気付かずに進行している差別社会(階級社会)の構築であり、社会の風潮としても多くの人々は、感覚や感情に刺激を与えてくれる物事を欲するあまり、感覚や感情に刺激を与えてくれるもの事であれば、何の確証もないものでも囃し飛びつくから、罠を張り巡らそうと策する者達は.責任感も何の確証もないまま、尤もらしく.本当だ、真実だと宣う、[信じる者は騙される]無責任社会なのではなかろうか。

●宗教観の喪失
宗教観の喪失は[慚愧]を喪失させ.自我意識を深めさせるたとえ得体の知れない神仏への信仰であっても[大いなるものに見られている]という自己を律し戒める意識効果があり、宗教観を持たない人は無慚.無愧となり、増長して.天地自然を軽んじ.また社会や他人への謙虚さ.配慮.礼義.状況判断.責任感に欠け自我.独善的になり易い。

人間は本質的には不安定(ドゥッカ)な存在であり、何かしらに依存し.拠り処(精神的支柱)とし摑まってなければ一時的でも安定して生きる事が出来ない、だから宗教観という拠り処を喪失した人は、心の安定の為に.宗教の代替として金銭や物や地位…という所有の次元の事物を拠り処とし信仰. 崇拝しようとするが、却ってそれら所有の次元の事物の無常な本質により翻弄される事となる。

●制御の効かない欲望
自分の心と向き合う事なく、煩悩と欲望の赴くままに翻弄されれば、人は決して満たされる事がない。ひとつの煩悩的欲望を叶えたとしても煩悩は更なる要求をしてくるだけ、無常な世界では心の安らいさえも得られない。

自分が、自分は、という[自分]に拘り捉われた欲による自我意識の暴走は、世の中に溢れ返り.垂れ流される.社会の排泄物が如き情報や知識や刺激に汚され、自分勝手.自己中心的で無責任な人間を増殖させ、それは同時に.常ならず変化してゆくこの世界では、思い通りになる時ばかりではないのだから.結果として不満を溜め込み.やがては暴発させる原因(病巣)となってゆく。

真に満足を得る為には、そんな欲望や煩悩を制御コントロールできる自身を育成してゆく事だけである。

社会では計測ができるからと認知能力を重要視しがちだが、人間の価値は認識能力(学業.記憶力.知識...)ばかりではなく、[情緒]を含めた人間性.勤勉性.協調性.精神性.安定性.真摯さ.社交性.利他性.責任感.創造力.根気.自主性.積極性.柔軟性.忍耐力など,様々な要素があり、人間の価値について仏教では[中道]と表現してますが.認識能力(論理性)と情緒(精神性)とのどちらにも偏らない[総合力]により生じる人格(品格)が自分自身を高め.浄め.救ううのだという教えであり、そんな中道思想[総合力]が失われつつあると言えるのではなかろうか。

因みに[論理・認識能力]に偏ると人間性を欠いた非情な存在となり、情緒に偏るとお人好しな能天気となる。

また現代病とも言える情緒不安定な躁鬱病(双極性障害)や悲観的な自殺願望なども、この両極の不安定さから引き起こされる。

グローバル化の罠
これも本が一冊書けてしまう程の内容を一項目として言えば、かって西欧が太刀打ち出ず怖れた日本の官民が一団となった[護送船団方式]と[終身雇用制]の解体であり、グローバル化という自由貿易を装った保護貿易主義による[バベルの塔作戦]であり、官と民のそれぞれを取り込み.意思疎通を阻害して各戸攻撃により撃破したのである。

●差別社会(階級社会)の構築
これも欧米(特に米)による陰謀というか染脳(洗脳)による処が大きいと思える。

私もアメリカ人や白人の中には精神性の高い人も多く見受けられ嫌いではないのだが、彼らは本質的には差別主義者であり、心底にはイエローモンキーという認識がぬぐえず、白人至上主義による差別意識に縛られている、過って黒人や有色人種や肥満体などをストレートに差別していたのだが、今の世ではそれが許されず教養を疑われるから、新たな差別対象として.自分たちのビジネススタイルこそグローバル.スタンダードであり、違うスタイルを差別.攻撃しようとしたり、スモーカーを悪人のように仕立てて差別.攻撃するように、世論形成.心理誘導.染脳(洗脳).プロパガンダをしている。

元々から島国根性とも言われる閉鎖的な差別主義者が多い日本でも、それに倣って階級社会(差別社会)を復活させつつあるのだ。

●自己解放.自己改善.自己昇華

運命を変えたければ、性格を変えてゆかねばならず、
性格を変えたければ、習慣を変えてゆかねばならず、
習慣を変えたければ、行動を変えてゆかねばならず、
行動を変えたければ、言葉を変えてゆかねばならず、
言葉を変えたければ、考え方を変えてゆかねばならない
考え方を変えるには、今の自分を変えて行かなければならない
今の自分を変えて行くには、今日まで造り積み上げてきた自分にカタルシスを体験させなければならない