受け入れる

この世の福と禍いとの.両(ふた)つながらの捉われと執着を去り、憂いなく.貪ることのない清浄者…そを真の修養者と我れは説く…
●現実を受け入れる(変化生滅)
もしその人が自分にとり本当に必要なものが明確であれば、悩みも.迷いも.苦しみもしないだろうに、無明(本質的無知)の闇の中を盲目的に手探りに.どうにかこうにか生きている事に気付かずに、その不安定な衝動の安定化を渇望し、社会に向かい安定化の為に必要な物事を探し求めれば、激流のように流れ込む知識や情報に惑わされ.煩悩(存在欲)の要求に翻弄され.
どうにかできる物事と.どうにもならない物事の識別さえも迷妄し、高慢となった小さき存在は、すべき事をせず.すべきでない事をするようになり、大いなる理法に対しても.畏怖と.敬いを失ない、自ら不幸へと向かってゆく…
大自然のその大いなる恩恵へ感謝を忘れ当然と接し.大いなる歓喜と幸せを失ない.その威力の前に無力であった小さき存在は.受け入れ.認め.共存の道を探りながら生きて来たのが、幾許かの制御.制止.対抗を果たした時から高慢にも[変化生滅]という真理(天地自然法則)さえも認め.受け入れることを拒むが如く反発し、その自然法則の流れへの反逆.反発が世界との調和を乱し、自らをドゥッカ(苦しみ.悩み.憂い.心痛.儚さ…)へと導くのです。
無明なままの人は.頭では解っているのに、心は認めようとしないものであり、
[死]という避けられない問題でも、心が認めようとしないものだから.頭(思考)は考える事さえ避けようとし.それが為に折角の生命を無駄に浪費してしまうのだから.
例え、何が消え.何が生じようが、因果律に従った縁起上の当然な現象に過ぎず、認め.受け入れようとしないから苦や不満を生じさせたり、得体の知れない無責任な他力や信仰に縋りつき.取り込まれ.騙され.洗脳(染脳)され無思考.思考停止となり大切な時間と金と労力を浪費する…
物事は自ら.よく吟味し.眺め.観察し.分析し.思惟思推し.検証し.確証を得て.変化生滅を[認める][受け入れる]ことが重要であり.それが現実(真理.真実.事実.実相)を認め.受け入れ.真実.現実を依り処(精神的支柱)とした堅固な平穏で安定した幸せと、人格を育成して.心を超越した次元へと導く道なのです。
世の中には人間の力ではどうにもならない物事がいっぱいあり、それらの幾何かを.どうにかこうにか制御したり.克服してきたものだから、何でもかんでも対抗し、制御し、止めよう、克服しようと頑張る余り、軋轢や苦しみ(ドゥッカ)を深めてしまったり、妄想的な迷路に陥ってしまうのですから…
他人や社会が何んと言おうが、自らよくその問題と冷静に向き合い、眺め.観察し.分析し.思惟し.思推し.今の自分の力ではどうしようもないものは.[駄目なものは駄目]と受け入れる事も必要なのに何時までも.しがみつき.握り締め.執着.愛着してしまうから苦しみや不満(ドゥッカ)を深め、変化生滅してゆくのが当たり前な事なのに.今の状態が何時までも大した問題もなく.元気で.無病で.無難に生きていられる事が当たり前だと錯誤してしまい変化生滅に戸惑い嘆いたり、恵まれない今が当たり前だと錯覚して悲観しながら出来る努力を怠ったり、自分の力を過信もせず.過小評価もせず.智慧を伴った努力精進を忘れず、何でもかんでも制御し克服し反発し対抗しようとせず、分散する欲望を本当に必要なものに注力しながら、それでいて本当に[駄目なものは駄目]として受け入れる賢明さ柔軟さが大切な要素でもあるのです。
確かに人類は汎ゆる問題を克服し征服して来たのは事実ではあるが、それも冷静に見るならば、多くの敗北の中から.幾許かの[どうにかなる種]を見い出した勝利に過ぎず、偉大な科学者とは、大自然や森羅万象の前に、畏れ.敬い.崇め.感謝する謙虚さを持っているものであり、愚かな科学者は喪失した驕りと高慢さから愚かな人災を招いてさえ居るのだから…
●身の不幸
身の不幸を招くのは、無思考.思考停止で生きること…
ただ漠然と.起きて.動いて.食べて.寝るだけで居られるならば、苦しみ.不満(ドゥッカ)や不幸の種を生じさせず、またその芽も実もなさせぬものを...でも退屈や飽きも苦しみ.不満(ドゥッカ)そのものであり.身の不幸を招くだけ...かと言って無思考.思考停止に.煩悩の渇望に翻弄され.世間から聴こえてくる知識や情報、本や雑誌やメディア媒体から溢れ出る知識や情報を鵜呑みにしたり.信じ込み.洗脳(染脳)されながら.無常な感覚.記憶.感情.衝動が引き起こす単なる主観を自論だと見紛って居る..そんな人を無思考.思考停止と呼んではいるが、それらは無明な雑念.妄想.無駄な思考を断滅する高度な思考停止とは.天と地ほどの差となって現れて.欲望に突き動かされ.ドゥッカ(生存苦.不満.憂い.空しさ.心痛…)による雑念.妄想に塗れながら.考えるべき物事からは逃避しながら.無常な感覚に従って.他人が向かう方へと無思考.思考停止で後について行こうするような.他人や社会を当てにして自己という存在性を自ら放棄するが如き迎合的な選択の結果に、自己選択出来ないことを悔やんだり、悪い結果でも招けば.その責任を社会や他人に転嫁して恨んだり不満を抱いたりするような...凡そ身の不幸を造り出す。
仏教は心理学や啓発というよりも、心の自然法則を以って.成るように成すという.心の物理学.化学.自然法則に沿った手法により人々を堅固なる真の幸せへと導く為のものであり、徹底的に観察し.分析し.思惟し.思推し.検証し.確証を.得て理解し、その理解した真実(真理)を.他との関係性.関連性.相補性という因果律(縁起)の発見に繋げ.その天地自然の法則を.人間の幸せの為に説いているのが仏教であり、それは通常の心の次元を乗り越え.超越するでもある。
世の中ではそれぞれの社会的.環境的.時間的.状況的な関係性による幸せや健康や満足などの[所有の次元の事物]の所有量を一つの尺度として、宗教とも呼ばれる信仰に対して嫌悪感を抱いたり.気嫌いしながら.金財信仰・学歴信仰.地位.称号信仰・知識.情報信仰・権威信仰・妄想信仰・感覚.感情.主観信仰など.無常で便宜的な付随物でしかない[所有の次元の事物]への信仰心を培い.魅入られ.ドゥッカ(苦悩.心痛.虚しさ....)を深めてゆく...それは常ならず変化し生滅し移ろう空しい本質の物事に過ぎない、必ず苦へと行き着くドゥッカ(苦)の本質のものへ、依存し依り処(精神的支柱)としているからに他ならず、故に社会には欲望と不満と怒りが満ち、哀しみと怖れと儚さに涙する人々が増えているのであり...それらの不安定.身の不幸から逃れようと.得体の知れない神仏や眉唾な力を無責任に主張する信仰宗教の罠に絡めとらて.尚更に宗教嫌いになってゆき、人として宗ねとするべき教えにまでアレルギーす反をきたすようになる...

現実を受け入れ.安定した幸せへ向かってLet Go!