涅槃(ニルヴァーナ)への道

●涅槃(ニルヴァーナ)への道
欲望や不満.愚痴.憂い.哀しみ.怒り.苦悶といった煩悩は、自分の利得を渇望する処から生じているのです…
それを正しい修養を通じて[諸行無常]の真理を覚り.この大宇宙には永遠普遍の実体も[私]という実体的存在もない事を覚らるべきなのです…
そのような自覚を以って内面や外界と向き合うならば、意のままにならない世の中や思うようには運ばない人生に苦しむ事もなくなり、[自分が.私は.]といった自我意識(エゴ)は次第に影を潜めて.安らかな心が現れてくるはずなのです…
正しい人生観.正しい生活.正しい修養などにより、誰でもが苦しみ(ドゥッカ)と縁を切り、安らかで悦楽に満ちた境地へと到達することが出来るのですから…
このとこしえで堅固な平安と安楽の境地こそが涅槃(ニルヴァーナ)なのです…
つまりは私達の苦しみ(ドゥッカ)とは無明(本質的無知)のなせる業であり、大宇宙の真理(天地自然の理法)に反することを希求する愚かさによって引き起こされ、世の中がままならない…望みが叶わない…と言っては煩悩を生じさせ自らが苦しんでいるのですから…
この大宇宙の真理(天地自然の理法)を正しく理解し、正しい実践的修養を通して.着実に真理に向かって歩むならば、誰でもが輪廻転生という激しい連鎖の流れからも脱出して.成仏してもゆけるのですから…


◆修養の要
欲望に執着するならば、それによって魔に取り憑かれる…
欲望への執着がなくなれば自分を束縛する軛(くびき)も消え去り、解放される…
所有の次元の事物(富.金.財.物欲.地位.出世.名誉.権威.権力.長寿.健康.世評.承認.家族…)などに執着していると、それらの為に煩悩に塗れた生涯を送ることとなる…
心も同じ事で…自分の感覚.感情.意志.意識という五蘊(精神作用)や思考(主観)に執着していると終生、自分を縛り付けている軛(くびき)の束縛から解き放たれることが出来ない…
日頃.つまらない物事、下らない物事、どうでもいい物事に執着していると、人はそれらにさえ支配されてしまうようになり、感覚.感情.意志.意識(五蘊.精神作用)そして思考(主観)は.それらに影響されやすく.心も縛られ自由になるのを妨げる事となるのです…