吝嗇(もの惜しみ)

倹約.節約と吝嗇(もの惜しみ)とは似て非なるものであり、無駄を省くのが倹約.節約であるならば.吝嗇(もの惜しみ)とは.無明な無駄や身の丈を違えた生活による不満や怒りを活力として生じるものなのです…
吝嗇(もの惜しみ)を戒めるのは.それが良い悪いと言うのではなく、心を貧しくさせてゆく事.つまりは人を欲深くさせて不満や怒りや嫉妬などドゥッカ(本質苦)の中を生きてゆく事となるからなのです…
何故、吝嗇(もの惜しみ)になるのかと言えば、それは煩悩(存在欲)によって現れる自我意識.は幸せになりたいと所有欲を貪ろうとするのですが、所有欲とは真に満たされる事がないものですから、一時の小さな[快感]と引き換えに.大きな[不満の時を過ごす事となるのです…
そんな我欲に捉られた不満な心を[餓鬼心]というのですが、そんな不満や怒りや嫉妬を抱いたまま生きれば、自ずと心はどんどん貧しくなってゆくという、負のスパイラルへと堕ちてゆくのです…
そんな負のスパイラルや悪循環とは、外的な力や要因によって引き起こされるように見えて.その実は自分自身の主観や暗示や思い込みや捉われ拘りなどから陥ってゆくものなのどす…
ですから自分をそれとは真逆な正(プラス)のスパイラルや好循環へと導いてゆくには外的な力や要因ではなく客観的な認識.識別能力を育成し、自己暗示など負の思考に捉われず.拘われず.物事を前向きに捉えた生き方を心掛けてゆくだけなのですから…
我欲に捉われて.不満の中を貧しい心で生きるのも、足るを知り豊かな心で生きるのも、無明の闇の中を盲目的に煩悩(存在欲.所有欲)に翻弄されるか、目覚め覚醒して智慧の光で照らし出すか次第なのです.
物質.情報.知識.娯楽で溢れ返る現代社会の中を生きる現代人は尚更に、それらに魅入られ翻弄されながら生きている事を、忘れず自覚せねばならないと思います…
生きるのに真に必要な物事と.自分を成長させ.本当の幸せへと向かわせる物事と、それ以外の無くても本当は別に構わない物事とを客観的に認識.識別して、良い流れへと調える意志と信念が、貴方の幸せを創り出してゆくのですから…
⚫吝嗇とは…
自分のものだと握り締め、他人と分け合ったり、分け与えたり出来ない.物惜しみ.吝嗇な人は心に何かしら不満や苦しみや怒りを抱えて無明の闇の中を盲目的に彷徨っている人であり[良い悪い]という話ではなく、目覚め覚醒し.乗り越え超越し.解き放たれ解放されさえすれば、堅固な喜び.快感.幸せ.安心.安全.静逸な世界があることに気付けない憐れな人なのである…
★吝嗇(りんしょく)の意
もの惜しみ.けち.粗末な人.価値がない人.心が卑しい人.心が貧しい人.心が狭い人
◆功徳とは

善根を積むことによって得られる功能.福徳や、現世来世に幸福をもたらす元(原因)となる善行.布施
◆効能/功能 とはよい結果をもたらす働きやきき目.はたらきや人の質


◆少欲知足

真の満足を齎すものは[足るを知る]心だけ…
■煩悩(本質的には存在欲)の要求に幾ら応えた処で.更なる要求をしてくるだけ…
決して満たされるという事がないのです…
却ってその果てない欲求を抑制していってやれば、波打つ湖面のような心は次第に鏡面のごとく澄み渡り、真理(自分は何の為に生きているのか)を映し出す…