喜びの見つけ方

井上陽水の昔の歌に[都会では自殺する若者が増えている〜♪]と言うのがあったが.若者の衝動的な自殺や.昔だったら狂喜なカルト集団の儀式のような前途ある若者の集団自殺のニュースに.よく御目に掛かる… 合掌.黙祷
①人は誰でも喜び.愉しみ.多幸感を求め欲しながら生きている。
❖喜び.愉しみ.多幸感を求め欲さずに生きている人など存在しない。

❖五集合要素(五蘊という精神作用)に翻弄されていると外世界からの情報.刺激を必要以上に欲し、感覚的→本能的→感情的→主観的な考えや概念こそが[自分のココロ][自分のアイデンティティ(存在性)]だと錯覚して、刺激のない生活に退屈感(ドゥッカ・苦)を覚え.刺激的な生き方を渇望する

②これから自殺しようとする人達も、その中に喜び.愉しみ.恍惚感.安心感.多幸感などを見い出しているからに他ならない。
❖煩悩(存在欲)に支配され.視野が狭まった感覚的.感情的.主観的な衝動による煩悩の暴走による反作用であり、苦しみと不満と空しさ(ドゥッカ)しか感じられない人生からの現実逃避である。
❖[生きてゆきたい]という欲望と.[苦しみから逃れたい]という欲望の葛藤の中で、[苦しみから逃れたい]という欲望が勝った
③原因を取り除いていけば.難なく喜び.愉しみ.多幸感に満ちた人生は得られるのに.
❖原因は無明(無知)である。
④皆んな無明(無知)に生まれて来ている。
❖無明とは…
明日をも知れない闇の中を.盲目的に手探りで生きている状態
❖生存の素因である煩悩(存在欲)の奴隷状態であり、煩悩の要求(主に所有の次元の事物)に応える事によって得られる.一時的で短命な喜び.楽しさ.満足.幸せなどの感覚.感情.主観を依り処(精神的支柱)として辛うじて安定性を維持している。
❖つまりは[得る事]による喜びに依存している本質的には弱く.貧しい心であり、もし得られなければ不安定.不満.苦(ドゥッカ)に戻ってしまう、在るがままに喜び.満足.愉しみ.幸せ…を味わう事が出来ない、煩悩(存在欲)の要求に支配された貪瞋痴の三毒(貪欲.瞋恚.痴愚)に根差した無常な感覚的.識別.感情.主観という 精神作用(五蘊作用)に翻弄されながら生きていると言う事なのです。
因みに、他人を貶め争い傷つけても得たいと言う心が阿修羅(修羅心)他者を押し退けても自分が!自分が!得たいという心が畜生心
得る事の快感に魅入られて幾ら得たとしても満足できず.もっとくれ〜未だ足りない〜と貪る心を餓鬼心
他人の生命を奪っても自我の欲望を満たそうとする心が地獄心...
その心の所在に随って輪廻してゆくのです。
⑤堅固で安定的な喜び. 愉しみ.幸せの見つけ方
1.自我意識(エゴ)への執着
自己中心的・自分本位・自分勝手に生きようとすると必ず[ドゥッカ]へと行き着く。
[自分は存在している]という妄想.概念.自我意識を滅尽する。
☣常ならず変化生滅しながら流れて行く世界では、物事はそうそう自分の思い通りには運ばないもの。
自我的に生きるとは、いつも[ドゥッカ]を造り出しながら生きる事となる
2.感覚.感情.主観への執着
☣感覚.感情.概念.主観.思考の後ろに思考者(魂.霊魂.霊体など主宰的なもの)など居らず、思考こそが思考者であり、感覚.識別.感情.概念.主観(五蘊作用)と思考は、因果律(縁起)に遵った相補的関係性の上での現象に過ぎない。生じては変化して消えて行く[現象]に執着する事を[愚の骨頂]と呼ぶ

3.物事を前向きに捉える

例えば今、一万円持っているとした時、[まだ一万円も持っている]と捉えるか[もう一万円しかない]と捉えるかで運気は天と地ほどの差となって現れてくる。
4.毀誉褒貶に捉われない
主観的な他人の意見.評価.判断などに惑わされず、自分の意志と信念を克己する
5.下劣に捉われない
どうでもいいもの事.下らないもの事.つまらないもの事に、気を取られず.捉われず.拘らず.執着しない。

6.今ある幸せに気付く

欲望に支配され、所有の次元の事物の奴隷状態を乗り越える。
何かしら得るものがないと喜び.愉しみ.満足.幸せを感じられない貧しい心を、在るがままの喜び.愉しみ.満足.幸せを味わえる豊かな心へと磨いてゆく
[無ければ無いで愉しめる人は、有ればあったで愉しめるものだが、無ければ無いで苦しむ人は、有ればあったで[もっと.もっと]と苦しみ続ける]ものだから.....
煩悩の要求に幾ら応えた処で、更なる要求をしてくるだけで決して満たされる事がない底知れない欲望に翻弄され、人を欲深く不浄にさせてゆくだけ、これを抑制.コントロールしていけば、波立つ湖面が鎮まるように.心は次第に澄み渡り、心に真理を映し出す。
人間だけが具えている折角の高度な智慧を使えば、今すでに何千何万何十万という幸せを持っている事に気付けば、煩悩(存在欲)の奴隷状態から解き放たれ、自分が既に満腹な程の幸せに感謝し奥深く味わえる。

<足るを知る>
☣今日も元気に生きている
(^^♪)世の中には豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまう人も居るというのに、自分は何と運のいい人間だろう。
(^^♪)旅に病み 夢は山野を駆け巡る
でも自分は元気に鼻歌でも歌いながら立って歩けている。
☣歯痛.腹痛.腰痛などで苦しんだ
今は痛いのは財布の中身ぐらい・・・笑
☣死に際に気付いても手遅れな本当の価値観や目的に早く気付く事が出来、価値ある意味ある生き方をするのに間に合った幸せ。
☣・・・・・・・
☣・・・・・・・
本質的には不安定な存在である人間は、何かしらに依存し[依り処(精神的支柱)]として安心.安全.安定.守護.恩恵を欲しながら生きているのです....だから何かを得て安定したい.喜びを得たい.愉しくなりたい.幸せがほしいと[所有の次元の事物]を得ようと懸命なのですが、[所有の次元の事物]とは便宜的な付随物(付いてくるもの・グリコのおまけ)に過ぎない.有為(現れては変化し消えて行く性質のもの)なものであり、そんな有為な性質のものを[依り処(精神的支柱)]とすれば必ず何処かでドゥッカへ戻ってしまうのは摂理であり、この世界に於いて無為(変化生滅しない性質)のものである真理(真実.事実.実相.自然法則)を唯一の[依り処]とすれば、安定的で堅固な喜び.愉悦.平安.大楽.静逸.幸せが得られるのです。
それは得て行く道ではなく、煩悩を捨てて行く道であり、その為に目覚め覚醒し、乗り越え超越し、解き放たれ解放されることを目指すのです
【定義】

●ドゥッカ=
不安定さ.不完全さ.苦しみ.悩み.憂い.心痛.迷い.哀しみ.悔やしさ.後悔.恐怖.儚さ.空しさ.弱さ.脆さ.惨めさ.飽き.退屈.実質のなさ.不満.不本意.無明.無常.欲........
●所有の次元の事物=
金銭.財産.物品.地位.名誉.称号.名声.権力.勢力.承認.人気.知識.能力.愛情.友人.家族.健康.長寿.若さ.美貌......
●存在の次元の事物=
人格.精神性.人としての質.人柄.器量.度量.境地.など.....